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更年期とは?年齢・症状・原因と対処法をやさしく解説

中村 さやか / 更新:2026-06-18
更年期とは?年齢・症状・原因と対処法をやさしく解説
最近どっと疲れる、汗が止まらない、気分が落ち込む——「これって更年期?」と検索してたどり着いた方へ。結論から言うと、更年期とは閉経の前後約5年ずつ、合計およそ10年の時期を指します。年齢の目安は45〜55歳頃です。

ただ、更年期と更年期障害は別物。時期そのものを指す言葉と、治療が必要なつらい不調を指す言葉が混同されがちです。

この記事では、更年期の正確な意味と期間から、原因、代表的な症状、セルフチェック、HRTや漢方などの治療、費用、今日からできるセルフケアまで一通り分かります。受診をためらっている方の判断材料にしてください。

更年期とは?まず知っておきたい基本の意味

【更年期】とは?〜更年期をうまく過ごすために〜
【更年期】とは?〜更年期をうまく過ごすために〜

更年期は病気の名前ではありません。卵巣の働きが落ちて、女性ホルモンが減っていく「移行期」のことです。日本WHO協会や母性健康に関する公的情報でも、この時期の位置づけはほぼ一致しています。

更年期の定義と期間(閉経前後5年・平均的な年齢範囲)

更年期は、閉経の前後それぞれ約5年ずつ、合わせて約10年の期間を指します。年齢でいうと45〜55歳頃が一般的な目安です。

日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳。閉経とは「最後の月経から1年以上、月経が来ない状態」を指します。つまり50歳前後で閉経する人が多く、その前後5年が更年期にあたる、という計算です。

更年期の基本データ
項目内容
更年期の期間閉経の前後約5年ずつ・合計約10年
年齢の目安45〜55歳頃
平均閉経年齢50.5歳
閉経の定義最後の月経から1年以上月経がない状態

更年期・更年期症状・更年期障害の違い

ここを混同している人が本当に多い。言葉を整理しておきます。

3つの言葉の違い
用語意味
更年期閉経前後の約10年という「時期」そのもの
更年期症状その時期に出るほてり・発汗・気分の落ち込みなどの不調
更年期障害更年期症状が重く、日常生活に支障が出る状態

つまり、更年期の人すべてに治療が必要なわけではありません。症状が軽ければ様子を見てよく、生活に支障が出るレベルなら「更年期障害」として治療の対象になります。

プレ更年期(30代後半〜40代前半)の早期サイン

「まだ40代前半だから関係ない」と思っていませんか。月経周期がだんだん不規則になってきたら、それは卵巣機能が揺らぎ始めたサインかもしれません。

母性健康の公的情報でも、更年期には月経周期が次第に不規則になり、その後閉経に至ると説明されています。生理の間隔がバラつく、経血量が変わる——こうした変化は早めに記録しておくと、後で受診するときの手がかりになります。

更年期が起こる原因と女性ホルモンの関係

更年期の不調の正体は、卵巣機能の低下による女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。これは複数の公的・学会系情報で共通している説明です。

更年期が起こる原因と女性ホルモンの関係

月経のしくみと女性ホルモンの変化

卵巣からはエストロゲンというホルモンが出ています。これが脳の指令を受けて分泌され、月経の周期を支えてきました。

ところが加齢で卵巣の働きが落ちると、脳が「もっと出して」と指令を強めても卵巣が応えきれない。この脳と卵巣の足並みの乱れが、体のあちこちに不調を起こします。

ホルモンバランスの乱れが不調を招く理由

エストロゲンは生殖だけでなく、自律神経、血管、骨、気分の安定にも関わっています。減ると自律神経が乱れ、ほてりや動悸、発汗といった症状が出やすくなります。

症状の出方には大きな個人差があります。性格や体質、置かれた環境的な要因も関係するとされ、同じ年齢でもまったく感じない人と寝込むほどつらい人がいます。

閉経後の長期的な健康リスク(骨粗鬆症・心血管疾患・脂質異常)

エストロゲンには骨や血管を守る働きもあります。だから減った後、つまり閉経後は長期的な健康リスクに目を向ける必要があります。

骨密度の低下による骨粗鬆症、コレステロールが上がりやすくなる脂質異常、それにともなう心血管系のリスク。更年期は「症状を乗り切る時期」であると同時に、その先の体づくりを始める節目でもあります。正直、ここを軽く見ている人が多いと感じます。

代表的な更年期症状と現れ方

更年期症状は、身体的・感情的・精神的・社会的な影響として現れることがあります。一つの症状に限らず、複数が重なって出るのが特徴です。

代表的な更年期症状と現れ方

体・心に出る多様な症状

よく知られるのが、急にカーッと熱くなるホットフラッシュや発汗、動悸。これらは血管運動症状と呼ばれます。

体だけではありません。気分の落ち込み、イライラ、眠れない、やる気が出ない——心の不調も更年期の立派な症状です。「気のせい」で片づけないでください。

年齢とともに変化する症状の種類

更年期の前半はほてりや発汗など自律神経の症状が出やすく、閉経後しばらく経つと、膣の乾燥や骨・関節の不調など、エストロゲン減少が積み重なった影響が前に出てきます。

同じ「更年期症状」でも、時期によって主役が入れ替わると考えておくとよいです。

ホットフラッシュが弱い人が見落としやすい点

ここが落とし穴。テレビで見るような汗だくのほてりが無いと、「私は更年期じゃない」と思い込みがちです。

でも更年期症状は人それぞれ。ホットフラッシュが軽い人は、代わりに疲労感・気分の不調・不眠だけが続くことがあります。原因が分からないまま放置されやすいタイプです。月経周期の変化と年齢を合わせて考えてください。

更年期かどうかを自分で確かめる方法

令和2年度第2回 市民公開講座 更年期障害
令和2年度第2回 市民公開講座 更年期障害

つらさを数値化すると、受診すべきかの判断がしやすくなります。婦人科でも使われる簡略更年期指数(SMI)が手がかりになります。

簡略更年期指数(SMI)によるセルフチェック

SMIは、ほてり・発汗・冷え・動悸・不眠・イライラ・頭痛・肩こりなどの症状を、それぞれ「強・中・弱・なし」で点数化して合計する自己チェック法です。合計点でセルフケアでよいか、受診したほうがよいかの目安をつけます。

点数の基準は問診票によって細かく異なるため、ここで具体的な合計点の境目は断定しません。気になる方は受診先で正式な評価を受けるのが確実です。まずは「自分の症状を書き出す」だけでも一歩前進します。

更年期と間違えやすい他の病気(甲状腺・うつ病など)

これが一番伝えたい注意点です。更年期だと思っていた不調が、別の病気のことがあります。

だるさ・動悸・体重変化は甲状腺の病気でも起こります。気分の落ち込み・不眠・意欲低下が強ければ、うつ病の可能性も。年齢で「更年期だろう」と自己判断して放置すると、本来治せる病気を見逃しかねません。

だからこそ、症状が重いときの受診には「鑑別してもらう」意味があります。

受診の目安と何科に行けばよいか

行き先で迷ったら、まずは婦人科。更年期を専門に診てくれます。

受診の目安と診療科
状況おすすめの行き先
ほてり・月経不順・更年期症状全般婦人科(更年期外来があればなお良い)
気分の落ち込み・不眠が特に強い婦人科に相談のうえ、必要なら心療内科・精神科
だるさ・動悸で甲状腺などが心配内科で血液検査も検討

日常生活に支障が出ているなら、それが受診のサインです。我慢して点数を稼いでも、いいことは一つもありません。

更年期障害の検査・診断と治療法

更年期障害は治療できる不調です。我慢しないという選択肢を、ちゃんと知っておいてください。

更年期障害の検査・診断と治療法

検査・診断の流れ(ホルモン値測定など)

婦人科ではまず問診で症状や月経の状況を確認します。必要に応じて血液検査でホルモン値を測り、エストロゲンが減っているか、ほかの病気が隠れていないかを調べます。

前述の甲状腺などとの鑑別も、この検査の段階で行われます。診断は「年齢」だけでなく、こうした客観的な情報を合わせて下されます。

ホルモン補充療法(HRT)の効果・副作用・禁忌

HRTは、減ったエストロゲンを薬で補う治療です。ほてりや発汗といった血管運動症状によく効くとされ、更年期障害治療の中心的な方法です。

ただし、いいことばかりではありません。副作用として不正出血や乳房の張りなどが出ることがあり、持病や既往によっては使えない(禁忌の)場合もあります。乳がんや血栓の既往などがある人は慎重な判断が必要です。

正直に言うと、HRTは「合う人にはとても良い、でも誰にでも勧められるわけではない」治療です。自己判断で始めるものではなく、医師がリスクと適応を確認したうえで処方します。不安な点は遠慮せず聞いてください。

漢方薬・向精神薬という選択肢

HRTに抵抗がある、使えない事情がある——そういうときの選択肢が漢方薬です。体質や症状に合わせて処方され、複数の不調がからむタイプに使われます。

気分の落ち込みや不安が前面に出ている場合は、向精神薬が検討されることもあります。組み合わせ方は人によって違うので、ここでも医師との相談が前提です。

治療にかかる費用と保険適用の有無

気になる費用の話。更年期障害の診断のもとで行うHRTや漢方薬による治療は、医療機関での保険診療が基本です。

具体的な自己負担額は、検査内容や処方、通院回数で変わります。確かな金額は受診先で確認してください。ここで「月◯円」と断定はしません——施設で差が出るためです。一方、市販のサプリメントは医療ではなく自費になります。この線引きは押さえておくと安心です。

日常生活でできる更年期のセルフケア

治療と並行して、生活の土台を整えることが効きます。症状の出方には体質や環境的な要因も関わるからこそ、毎日の積み重ねが意味を持ちます。

日常生活でできる更年期のセルフケア

食事・運動・睡眠・ストレス管理の工夫

完璧を目指さなくていい。できることから一つずつで十分です。

今日から始めるセルフケア
分野具体的な工夫
食事主食・主菜・副菜をそろえ、大豆製品を取り入れる
運動ウォーキングなど無理のない有酸素運動を習慣に
睡眠就寝・起床の時間を一定にし、寝る前のスマホを控える
ストレスひとりで抱えず、休む時間を意識的に確保する

エクオールと大豆イソフラボンの科学的根拠

大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをすると注目される成分です。腸内でこれが変化してできるのが「エクオール」で、女性ホルモンに似た働きをするとして更年期領域で研究されています。

ただし、エクオールを体内で作れるかは腸内細菌の有無で個人差があります。サプリは薬の代わりではありません。症状が重いなら、サプリで粘るより受診が先。ここははっきり言っておきます。

パートナーや家族・職場の理解とサポート

更年期症状には社会的な影響も含まれます。つまり、まわりの理解があるかどうかで、つらさの感じ方が変わります。

「怠けている」のではなくホルモンの変化が背景にある——この一点を家族や職場が共有できるだけで、本人はずっと楽になります。仕事をあきらめる前に、早めに婦人科とつながり、必要な配慮を相談してほしいと思います。

見落としがちな男性更年期障害(LOH症候群)との違い

【閉経と更年期】話しにくい“カラダの悩み”を漫画で  ”病気のサイン”気付きにくいことも
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更年期は女性だけのものと思われがちですが、男性にも更年期障害(LOH症候群)があります。

女性の更年期がエストロゲンの急な減少で、閉経という明確な節目があるのに対し、男性は男性ホルモン(テストステロン)がゆるやかに低下します。だから始まりがはっきりせず、年齢の幅も広い。意欲の低下や疲労感など、女性の更年期症状と重なる部分もあります。

女性の更年期と男性更年期(LOH症候群)の違い
項目女性男性(LOH症候群)
主なホルモンエストロゲンテストステロン
変化の仕方閉経前後で急に減少加齢でゆるやかに低下
節目閉経という明確な区切りがある明確な区切りがない

パートナー同士で更年期を理解し合えると、家庭の空気が変わります。

更年期に関するよくある質問(FAQ)

検索でよく一緒に調べられる疑問に、ここまでの内容をもとに短く答えます。

更年期に関するよくある質問(FAQ)

よくある質問

更年期とは具体的にどういう状態?
閉経の前後約5年ずつ、合計約10年の時期を指します。年齢の目安は45〜55歳頃で、平均閉経年齢は50.5歳。卵巣機能の低下でエストロゲンが減り、ほてり・発汗・気分の落ち込みなどさまざまな不調が出やすくなる移行期です。
更年期の治療にかかる費用は?
更年期障害と診断されたうえでのHRTや漢方薬による治療は、医療機関での保険診療が基本です。実際の自己負担額は検査内容・処方・通院回数で変わるため、受診先で確認してください。市販のサプリメントは医療ではなく自費になります。
更年期のケアはどう始めればよい?
まず自分の症状と月経の変化を書き出すことから。日常生活に支障が出ているなら婦人科を受診し、必要なら検査で原因を確かめます。並行して、食事・運動・睡眠を整えるセルフケアを今日から始めるのが現実的です。

つらさを我慢して点数を稼ぐ必要はありません。気になる症状を一つメモして、近くの婦人科に電話してみる——更年期との付き合いは、その一歩から軽くなります。

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中村 さやか

女性誌・健康メディアでの編集・執筆歴12年 ・ 婦人科・漢方クリニックへの定期取材実績あり
女性誌編集・ライター歴12年

自身も40代で更年期症状を経験したことをきっかけに、婦人科専門医への取材や最新の医療情報をもとに、同世代の女性が安心して読める記事を届けることを心がけています。読者と同じ目線で「これは病院に行くべき?」という疑問に、根拠をもってお答えします。

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